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ルームエアコンの選び方①

エアコンの機能を使いこなしていますか?

北海道も年々夏の暑さが厳しくなり、エアコンを設置するご家庭も増えてきました。
ルームエアコンには大きく分けて「おそうじ機能」が付いている機種と付いていない機種があります。
しかし、清掃の見積り・訪問の際に確認すると、意外とこれが知られていないのです。
店員さんにすすめられるがままに購入したという方も多く、せっかくの機能を十分に使いこなせていない場合もあります。
今回は新たに購入を検討している方や買い替えを検討している方のために、簡単ではありますがエアコンの選び方について説明します。

◎おそうじ機能とは?

エアコンは室内の空気を循環させるため、空気の吸い込み口と送風口があります。
その吸い込み口にはフィルターが付いており、使用していると当然ホコリがついてきます。
これを放置しておくと通気性が悪くなり機械に余計な負荷がかかって本体の寿命を縮めたり、カビ繁殖の原因になったりします。
なので定期的にホコリを取ってあげる必要があるのです。
このフィルターのホコリをリモコンのスイッチ一つで除去してくれる機能がおそうじ機能です。

ここでよく勘違いされるのが、おそうじ機能とはあくまでフィルターに付着したホコリを取るためだけの機能であって、これが付いていればエアコン清掃は必要ないというわけではありません。
我々エアコン清掃業者はその他に温度調節に必要不可欠な熱交換器、結露水を受けるドレンパン、風を送り出すシロッコファンといった部品を清掃しています。
エアコン清掃の目的はホコリ+カビの除去なのです。

話を戻しますが、フィルターにはなるべくホコリが付いていない方がいいので、おそうじ機能が付いていた方が手間をかけずに清潔な状態を保ちやすいでしょう。
しかし、実はメリットだけではありません。

次にその理由を説明します。

◎おそうじ機能付エアコンのメリットとデメリット

【メリット】
・フィルターのお手入れが楽
・その他にもメーカー独自の機能が付いていることが多く(日立の凍結洗浄、三菱のムーブアイなど)多機能

【デメリット】
・本体価格が高額
・清掃業者のメンテナンス料金が高額
・多機能であるがゆえに電気系統も複雑で故障のリスクが上がる
・ホコリ+油汚れとしてフィルターに付着すると除去機能が格段に落ちる

これを見るとおそうじ機能は付いていなくていいのではないかと思うかもしれません。しかし必ずしもそういうわけではなく、要は使う場所と使い方次第だと思います。
あとお掃除機能付エアコンの中でも、メーカーによって除去したホコリをダストボックスにため込むタイプと外に排出するタイプがあるのでそれは注意しましょう。

個人的にこれらの理由と清掃現場での実体験に基づいてのおすすめは・・・
①キッチン付近に設置されたエアコンはおそうじ機能が付いていない方がいい
②高齢者がおそうじ機能付エアコンを使う場合には除去したホコリを屋外に排出するタイプの方がいい
③清掃を業者に頼まずに自力でやろうという方はなるべくおそうじ機能が付いていないタイプの方がいい
④おそうじ機能付エアコンでフィルターおそうじ以外のメーカー独自の機能に魅力を感じているならそちらを選んだ方がいい

といった感じです。

◎大事なのは機能を理解したうえでの使い分け

①は清掃現場での実体験からです。
フィルターに油煙が付くとおそうじ機能はほぼ役に立っていません。
何ならおそうじロボの動きがベタつきにより阻害されやすくなるため動作不良のリスクすらあります。
そして自分で外しての清掃がしにくいこともあり、内部的にはおそうじ機能が付いていない場合よりかえってひどい状態になっていることもしばしば。
一般家庭ではキッチン付近、油汚れが顕著な飲食店などはまずおそうじ機能は付いていない方がいいでしょう。

②は高齢者に脚立や椅子に登っての作業はおすすめしないためです。
ダストボックスにためるタイプは結局自分でカバーを開けて取り出す作業が発生するのです。
脚立や椅子に登ってのけがと言うのは皆さんが思っている以上に多く大事故につながりやすいので、そのリスクを考えるとどのようなタイプを選んでも最終的には定期的に清掃業者におまかせいただきたいというのが本音です。

③はシンプルに分解の難易度が上がるためです。
おそうじ機能が付いていない機種は、基本的にカバーと外装を外せば清掃ができる状態になります。
しかしおそうじ機能が付いている機種は、さらにおそうじメカを外さなければならず、これが各メーカーや機種によって外し方がマチマチであるため、機種によっては相当な難易度になります。
自分で分解清掃しようとして壊してしまったという事例は結構あるようなので注意が必要です。

④はおそうじ機能が付いていないタイプは、基本的に冷暖房のみのシンプルな作りです(プラズマクラスターなどちょっとした機能は付いていることもありますが)。なので冷暖房以外の付加機能に魅力を感じたならそちらを買うべきでしょう。

◎内部クリーンという機能はフィルター清掃機能ではない

これもよく間違えられるのですが、内部クリーンという機能は平たく言うと本体の乾燥運転です。
エアコンは湿気をため込んでしまう作りのため、カビが発生しやすい環境になります。
内部クリーン機能を使って本体から湿気を取り除くことによりカビの発生を抑えることができるのです。
これをうまく使うことにより清掃の頻度を減らすことができるかもしれません。
なので使っているエアコンはおそうじ機能が付いていると思っている人の中で、おそうじ機能が実は付いていなかったということもあるかもしれませんね。

次回は別な視点からエアコンの選び方について説明したいと思います。